豊平区にある札幌第一高校が、国道36号線を含む周囲の道路と45度くらいで斜めになっています。この区画だけなぜ斜めなのか。
札幌第一高校の敷地は、札幌衛戍(えいじゅ)病院(札幌陸軍病院)だったというのはよく知られた話です。このあたりは、扇状地の中にありながら、等高線が少しだけ緩やかです。その土地からすでに主要道路となっていた現在の国道36号線を通り、札幌中心部に向かうため、斜めに接続したものと思われます。たぶんなにもない時代にここを眺めたら、それが自然な土地利用だったことでしょう。
戦後に国立病院となり、その後、病院は白石区菊水に移転したので、その場所に札幌第一高校を設立しました。敷地はそのままなので、周囲が宅地化しても、道路はそのままです。高校の周辺だけ斜めなのは、宅地化のはるか前から、その部分だけ土地利用がされていたからというわけです。
なお、高校の建物は、この四角い敷地内の、病院の建物とは異なる場所に建っています。「〇〇教室の鏡に霊が見える」とか「地下の購買が霊安室だった」とかのネットのうわさ話は、盛大な作り話ということになります。